結論: USB-Cから3.5mmへの変換には、DACを内蔵してデジタルで受ける方式と、USB-Cの側線に載ったアナログ信号をそのまま取り出す方式があります。後者は対応端末が限られ、新しい機器では音が出ません。マイクを使うには4極(TRRS)でCTIA配列の製品が必要で、3極品では原理的にマイク信号を送れません。
イヤホンジャックが消えて久しく、変換アダプターは最も売れている周辺機器になりました。価格差は数十倍ありますが、違いは中身のチップ1つです。
アナログ信号を取り出す2つの経路
側線を使うアナログモード
USB-Cには設定用の側線が2本あり、Audio Adapter Accessory Modeではここにアナログ音声を載せます。アダプターは抵抗だけで構成でき、基板が不要です。ただし新しい端末の多くはこのモードを実装しておらず、挿しても無音になります。
DACを内蔵する方式
DAC内蔵のアダプターはUSBオーディオ機器として認識され、デジタルデータを受け取って自ら電圧を作ります。どのUSB-C端子でも動作し、ノートPCの内部ノイズからも切り離されます。価格は上がりますが、互換性は最も高い方式です。
方式ごとの比較
| 方式 | 動作する端末 | マイク | 音質 |
|---|
| パッシブ(アナログ) | 旧世代のみ | TRRSなら可 | 端末依存 |
| DAC 16bit/48kHz | ほぼ全端子 | 多くの製品で可 | 通話向き |
| DAC 24bit/96kHz | USBオーディオ対応 | 製品による | 音楽向き |
サンプリングレートの表記は飾りではありません。実体のあるDACを積んでいるか、48kHz固定の安価なチップかを示す目安になります。
マイクが沈黙する理由
CTIAとOMTP
4極プラグには2つの配列があります。CTIAは2番目のリングがグラウンド、OMTPは軸がグラウンドです。CTIAの端末にOMTPのヘッドセットを挿すと、音は出るのにマイクが死にます。国内・欧州はCTIAが主流ですが、古い製品は異なる場合があります。
3極アダプター
安価なアダプターは3極しか配線しておらず、マイク信号の経路がありません。通話に使うなら、ヘッドセット対応を明記した4極品を選びます。
音質とノイズ
DAC内蔵品は出力インピーダンスが低く、32Ω程度のイヤホンなら十分な音量が取れます。250Ωのモニターヘッドホンでは電圧が足りず、音が薄く感じます。この場合は単体のオーディオインターフェースが必要です。バランスとアンバランスの違いはバランスとアンバランスの違い、プラグの構造はTRSとTSの違いにまとめています。
小音量で聞こえるノイズは、電源の質に由来します。金属筐体でシールドされた製品は樹脂筐体より有利です。端子そのものの違いはUSB-AとUSB-Cの比較を参照してください。
実用例
- Web会議: DAC内蔵でマイク対応、ヘッドセットはCTIA配列。設定で入力機器を選び直します。
- 移動中の音楽: 24bit対応で金属筐体の製品を選ぶと、電波や画面のノイズを拾いにくくなります。
- 配信: 入力と出力を分けたほうが安定します。1本のアダプターで両方を賄うと音量調整が干渉します。
- 会議室の常設: アダプターをケーブルに固定し、抜けと紛失を防ぎます。
よくある質問
古いアダプターが新しいPCで動きません
アナログモードを使う製品で、新しい端末がそのモードを持たないためです。DAC内蔵品に替えると、USBオーディオ機器として認識され動作します。
通話に使えますか
マイク経路があり、ヘッドセットの配列が一致していれば使えます。マイクが反応しない場合は配列を疑い、別端末で切り分けます。
高いDACは違いが分かりますか
良いヘッドホンと静かな環境では、小音量時のノイズや左右の分離で差が出ます。付属のイヤホンや騒がしい場所では価格差ほど感じません。